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キャッシュ・フロー会計を学ぶ⑩ 財務キャッシュ・フロー4

おはようございます。所長の山本誉です。

米国の新大統領にバイデン氏が就任しました。

バイデン氏の新大統領就任には賛否両論あるかと思いますが、

トランプ前大統領とは、違った路線で世界が動き始めるように思われます。

世界が良い方向に進むことを願うばかりです。


さて、前回、財務キャッシュ・フロー(借入金)が、利益や手元資金に対して、

適正な水準にあるかどうかを見る指標として、「要償還債務年数」という指標があることを

紹介しました。 今回は、この「要償還債務年数」という指標について説明したいと思います。 この指標は、大まかに説明すると、


「借りたお金を何年で返せるか」

ということを表す指標です。

一般的には、借りたお金を10年以内に返済できる利益や手元資金があれば、

その企業の借入金の水準は優良であるといわれています。 しかし、中小・零細企業の場合には、「15年以内」に返済できるかどうかという基準で、

判断して問題ないと思います。 もし、借りたお金の返済に「20年以上かかる」という場合は、

利益や手元資金に対して、借入金が多すぎる(過剰債務)として、

経営改善が必要な状況だともいえます。 この「要償還債務年数」は、 「有利子負債(長期借入金)÷フリー・キャッシュ・フロー」 という式で計算します。 また、フリー・キャッシュ・フローというのは、 「フリー・キャッシュ・フロー」=「営業キャッシュ・フロー」-「投資キャッシュ・フロー」 で算出します。 しかし、中小・零細企業の場合で、 毎期の売掛金や在庫、買掛金(つまり運転資本)にあまり変動がなく、 特別利益や特別損失もない場合には、 簡易的に、 「フリー・キャッシュ・フロー」≒「当期純利益」+「減価償却費」 で計算しても問題ありません。 例えば、直前期の長期借入金が2億円あり、 当期純利益が1千万円、減価償却費が500万円であったとすると、 「要償還債務年数」 = 2億円 ÷ (1千万+500万円) = 13.3年(切捨) となって、要償還債務年数が15年以内に収まっているため、 抜本的な経営改善が必要な水準ではないといっていいかと思います。 この算定方法は、非常に簡便的な方法ですが、 経営者の方が、借入水準が適正な範囲内かどうかをおおよそ知っておくためには、 とても便利な算定方法だと思います。 一度、ご自身の会社の要償還債務年数を計算して、その水準が適正かどうかを

確認してみられるといいと思います。

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