キャッシュ・フロー会計を学ぶ⑯ ソニーのケーススタディ①


こんばんは。所長の山本誉です。 今日の首都圏は、日差しの見える穏やかな天気になりました。 コロナ禍でも、日差しが見えると、何となく気分が和らぎますね。 それだけでも、今日はいい一日だったような気がします。

さて、本題です。前回のブログの冒頭で、ソニーが

「単年度利益ではなく、3年間の営業キャッシュ・フロー」

を最重要の経営指標として経営の舵取りを行っている旨、ご紹介しました。 今日は、そのソニーの2019年度(2020年3月期)の「有価証券報告書」を

具体的に見てみましょう。下表は、その一部です。


                  図表1 ソニーの連結経営指標等


























ここで、連結ベースでの売上高をみると、2015年度から2019年度まで5年間でほぼ横ばいです。 しかし、営業利益・税引前当期純利益をみると、2017年度から急増し、

2019年度の営業利益・税引前利益は、2015年度の2倍~3倍に至っています。 図表には表れていないのですが、連結損益計算書をみると、 営業利益・税引前利益が増加した大きな要因は、徹底的なコストダウンによる、 売上原価の削減が大きく起因している

ことがわかります。 また、各キャッシュ・フローをみると、 2019年度の営業CFは、2015年度の約2倍に飛躍。この5年間で投資CFによる支出は増加させながらも、財務CF(資金調達)は減額させていき、それでも、2019年度の手元資金は、2015年の約1.5倍、約5,300億円も増加しています。 これだけ見ても、非常に優良な企業に変革していることがわかります。 さらに、図表2の「決算説明資料」にある、

「セグメント別キャッシュ・フロー」をみると、 「ゲーム&ネットワークサービス」が、 営業CF(本業での儲けの資金)増加に大きく貢献しつつも、少ない設備投資(財務CF)で、

営業CFを稼ぎ出している

こともわかります。 ここから、 少ない設備投資(投資CF)で、高い営業CFを稼ぎ出す(結果として手元資金も増える)という、 「コスト・パフォーマンス」の良い、非常に優秀なビジネスモデルへの変革が、 2017年度前後から行われている ということがわかります。 ちなみに、決算説明資料に「セグメント別キャッシュ・フロー」が掲載されるようになったのは、 2018年度からです。「キャッシュ・フロー経営」への強い思いの表れだと思います。

                       図表2 決算説明資料

それでは、2017年からどのような「ビジネスモデルの変革」が行われたのか。 それを次回以降みていきたいと思います。

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