キャッシュ・フロー会計を学ぶ⑤ 営業キャッシュ・フロー2

更新日:2021年1月12日

おはようございます。所長の山本誉です。 緊急事態宣言が都市部で発令され、 私の近隣でも、人の往来が激減した感じがします。 早くコロナが収束して、街に活気が戻ることを祈るばかりです。 さて、今回は、営業キャッシュ・フローについて、引き続き説明します。 前回、営業キャッシュ・フローとは、「本業で稼いだお金」を示し、

「本業で稼いだ利益ではない」ことに気を付ける必要があると説明しました。 また、営業キャッシュ・フローは以下のように計算されると説明しました。 【営業CF】

税引前当期純利益

+減価償却費 【資金支出のない費用なので足し戻す】

+各種引当金の増加額 【同上】

+固定資産等評価損(-評価益) 【同上、評価益は入金のない利益なので差し引く】

+借入金の支払利息額 【金融費用の足し戻し:後で差し引く】

+売上債権の減少額(-増加額) 【貸借対照表に関連する運転資本の増減調整】

+棚卸資産の減少額(-増加額) 【貸借対照表に関連する運転資本の増減調整】

+仕入債務の増加額(-減少額) 【貸借対照表に関連する運転資本の増減調整】

+その他流動資産減少額(-増加額) 【その他の貸借対照表の資金増減調整】

+その他流動負債増加額(-減少額) 【その他の貸借対照表の資金増減調整】  (小計)  = CF版の営業利益

-借入金の支払利息額 = CF版の経常利益

-法人税等の支払額 = CF版の当期純利益 =営業CF


ここで、減価償却費など、【資金支出のない費用】を足し戻すことは、 理解しやすいのではないかと思います。費用として利益は減っているが、 資金は減っていないので、その分を利益に足し戻してあげるということです。 理解がしがたいのが、売上債権の減少・増加額などの、 【貸借対照表に関連する運転資本の増減調整】の部分ではないかと思います。 (【その他の貸借対照表の資金増減調整】も同じ考え) ここをしっかり理解するためには、「運転資本」の考え方を思い出す必要があります。 以前のブログで、「運転資本」の考え方について、手元資金を増やす例を挙げ、 ① 売掛金の入金を早くするようお得意先にお願いする。

② 手持ちの在庫を即売現金で売ってお金を作る。

③ 支払いを待ってもらえそうな取引先(外注費・買掛金)には待ってもらう。


以上の3つの行動により、お金を「生み出し」、または、「支払額を減らし」て、

資金不足への対応を可能にするというお話をさせていただきました。

そして、上記3つのことを示す数式として、「運転資本」の式を説明しました。


売上債権 + 棚卸資産(在庫) - 仕入債務= 運転資本  (売上債権:売掛金や受取手形など)

 (棚卸資産:在庫のことであり、原材料や仕掛品なども含む)

 (仕入債務:買掛金や支払手形など) この運転資本の考え方を使って、利益の中から、資金の変動部分を加減して、 本業で儲けた資金部分のみを算出するという手法なのです。 したがって、運転資本が増えれば、営業キャッシュ・フローは減少します。 それは、運転資本が増えるということは、売上債権などが増加して、 資金化がその分遅れる(つまり、減る)。いわば、得意先にお金を貸している状態なのです。 この営業キャッシュ・フローは、「非資金項目」(減価償却費など)と「運転資本」の関係が しっかり理解できれば、その本質が見えてきます。 ここで、その関係性をじっくり考えてみてください。(続く)


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