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事業承継の進め方⑪ 経営と資金繰り4 決算書が読めない

2021年4月13日
読了時間: 4分

こんにちは。所長の山本誉です。

新型コロナが日本で蔓延し始めてから1年余り。

この間、「テレワーク」や「巣ごもり生活」が続いたため、

考えてみればこの1年あまり、「外出用のスーツやシャツ」などの

ビジネス用被服をほとんど購入していないことに気がつきました(苦笑)。

そのため、飲食店や接客を伴うサービス業とともに、アパレル業も大変な時期です。


前回のブログで述べた、アイリスオーヤマに倣って、

私たちも、いかなる状況でも利益を出せる仕組みを作ること、利益を出していくことを考えて、

事業をより良く構築していきましょう。



さて、今回のブログは、事業承継において必要となる「経営と資金繰り」の知識のうち、

中小企業の資金繰りが苦しい場合の原因の理由の一つ「決算書が読めない」ということについて、考察していきたいと思います。


4.決算書が読めない

事業計画や資金繰り表を作っていない経営者のほとんどが、「決算書を読めない」と言っても

過言ではありません。


かろうじて、資金繰り表だけは作成していても、

それは、「資金不足にならないように」という目的のためだけに作成していることも多く、


たとえば、固定資産と消耗品費の支出を行った場合、

資金繰り表には、その品目名と金額のみが記載されますが、固定資産の支出については、

損益に影響をおよぼさないということが理解できません。


したがって、多額の設備投資を行って支出が多い年でも、決算書を作成してみると、

最終利益が大幅に黒字になっていることがあります。


しかし、それを見た経営者は、


「これほど利益が出ているのに、なぜ資金繰りが厳しくなっているのか」


と首をかしげ、顧問税理士に説明を求めたりします。


ところが、質問された顧問税理士も、経営者が決算書を読む力がないことがわかっているため、

経営者に納得のいく説明をすることが難しく、結局、経営者が、「わかったようなわからないような」

状態で原因究明をスルーしてしまう、という結果になります。


これが、いわゆる「利益と資金の混同」の一例です。


ところで、余談になりますが、私が、これから起業を目指す人に、


「何から勉強すればいいですか?」


と聞かれた場合に、必ず答えているのが、


「簿記3級の資格を取ってください!」


ということです。


しかし、それを聞いた当人は、必ずと言っていいほど

「わかりました。それでは書店に行って、簿記3級のテキストを買って勉強します」

というのです。


それに対して、私は

、

「それだけは絶対やってはダメです。『簿記3級程度なら、書籍による自宅学習のみで十分』と

タカをくくる人が多いのですが、そういう人は途中でほとんど挫折します。

運よく簿記3級に合格しても、簿記の基本や体系的な理解が薄いから、実務では使えません。

『泳ぎ方の本を買ってきて、畳の上で泳ぎ方の練習をする』のと同じ結果になり、

実際に水に入ると、泳げないのと同じです」


「必ず、資格専門学校等の簿記3級の『通学コース』に申し込んで、

熟練した講師からしっかり教えてもらって勉強してください。

そして、わからないところがあればすぐに講師に質問して、理解するようにしてください。

これなら必ず、簿記3級は取れるし、実務でも使える知識・能力が身につきます。

期間はわずか2か月程度です。もし、どうしても専門学校等に通学ができないときは、

せめて簿記3級のWEB講座またはDVD講座を受講してください。

書籍による独学だけは絶対やめてください」


「さらに、可能であれば、同じ方法で簿記2級まで取ってください。

結果的に簿記2級に合格しなくてもいいので、簿記2級、それも商業簿記だけでも

資格専門学校等でしっかり勉強してください。

それが、後に経営者になったときに、必ず役立つ知識・技能になります。

高額の起業セミナーに参加するよりも、はるかに役に立って、

コスト・パフォーマンスも抜群です」


と答えることにしています。


簿記3級、さらに簿記2級レベルの知識があれば、決算書の理解も容易になりますし、

経営計画の策定や事業計画の策定も容易になります。


また、起業して間がなく、人を採用する余裕がない時期に、

経営者自らが会計ソフトに入力して「自計化」することで、

「仕訳」の切り方から「決算書作成」までの流れが「実感」として理解できるようになり、

その経験が、B/SやP/L改善の能力を高めることになるのです。


ちなみに、私の知人の金融機関出身の方で、

「決算書は読めるが、簿記は学んでいない」という方がいます。


この方は、B/SやP/Lの財務分析は得意です。

しかし、どの勘定科目をどのように改善すれば、B/SやP/Lが最適化されるか、

また、最適化された後のB/SやP/Lが頭の中で描けないのです。

これは、B/SやP/Lの作成過程である「簿記(仕訳の切り方)」を学んでいないからです。


経営者の最も重要な仕事は、事業活動の成果の写像であるB/SやP/Lの最適化であり、

そのための事業戦略思考です。

そこで必須になるのが、簿記の知識であり、決算書が読める能力なのです。



【お知らせ】

著書、「手元資金を増やす中小企業の経営改善の進め方」が、

今年1月14日に中央経済社から出版されました。全国の大型書店やAmazonで購入できます。

事業承継における経営改善に向けて是非ご一読ください。

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