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ビジネスの創り方③ 「ビジネスモデル」の構築について

更新日:2021年6月9日

こんにちは。所長の山本誉です。

「ビジネスの創り方」第3回の今回は、

「ビジネスモデル」構築についての考え方について

説明したいと思います。



4.「ビジネスモデル」の構築について

① ビジネスモデルとは何か

さて、これまでに「ビジネス創業思考」というものについて、

いろんな角度から述べてきましたが、結論として、ビジネス創業思考とは、


「儲かるビジネスモデルを創る思考方法」


ということができます。


ところで、新型コロナの影響を受けて、世界的に経済活動が停滞し、

多くの企業が業績低迷に苦しみ、経営破綻に至る企業もある中で、

たとえば、トヨタやソニー、アイリスオーヤマといった企業は、

順調に利益を上げています。


これからの世界では、たとえどんな社会状況であれ、

利益を上げていくようなビジネスの仕組み、

つまり、「ビジネスモデル」を考えることが必要不可欠となります。


そこで、これから、この「ビジネスモデル」というものについて、

少し考察していきたいと思います。


野村総合研究所の定義によると、「ビジネスモデル」とは、


「当該ビジネスが、誰に(Who)、何を(What)、どうやって(How)、付加価値を提供し、

収益を得るのかが盛り込まれたビジネスの仕組み」


と定義しています。


つまり、


1.まず、どのような顧客がどのような価値に対して対価を支払ってくれるかを分析し、

  ターゲットとする顧客を絞り込む。

2.次に、ターゲット顧客にどのような商品やサービスをどのような方法で提供することで、

  対価に見合う価値を提供していくかを具現化する。

3.自社の経営資源を踏まえた実現可能性、競合他社の動向を見据える。

4.その上で、競争優位性、市場規模・成長性予測に基づく収益構造を明確にする。


ことにより、ビジネスモデルを構築するとあります。


そこで、この定義について、

私なりに、検討・考察を加えていきたいと思います。



1)ビジネスモデルを構築する前に

さて、先に述べた「ビジネスモデル」についての検討・考察をするにあたって、

それ以前に心得ておかなければならない「心構え」的なものがあります。

それをここに「総論」という形で、述べていきたいと思います。


今仮に、A氏という、

大手家電販売店にお勤めの方がいるとします。

A氏は、その家電販売店の「凄腕販売マン」です。


このA氏は、口うるさくて嫌味の多い上司や、頑張っても、

それが収入に直結しない会社の体制に嫌気がさして、

独立起業することを決意しました。


A氏は、もともと「家電の販売」にはすこぶる自信があったので、

独立して、家電の販売店を始めました。


そして、元居た会社の得意先を回っては、

「この度、独立したので、これからは直接、私のお店での取引をお願いします」と、

営業を兼ねた挨拶回りを続けたのでした。


しかし、数ヵ月後。A氏は、失意のどん底にいました・・・。


「自分の販売力や人脈を持ってすれば、必ず上手くいく」


そう踏んで独立開業した、A氏の家電販売店の業績は思わしくなく、

独立当初こそ、ご祝儀的な注文もあったりしたのですが、

今では、資金繰りがひっ迫し、商品の仕入代金も払えそうになく、

このままでは、お店をたたむしかない状況に陥りました。


このA氏の「誤算」の原因は、どこにあったのでしょうか。



2)よくある「誤算」

この誤算の原因を一言で言うと、

自分の持っている「経営資源の把握」に誤算があったのです。


A氏が、大手家電量販店に勤めていたときには、

その家電量販店の持つ「経営資源」、つまり、

「ブランド」、「信用力」、「資本力」、「組織力」といったものが、

A氏の背景には存在しており、それらの力もあって、

A氏は「凄腕販売マン」でいられたのです。


しかし、それらをA氏は、

「自分個人の持つ販売能力」であると思い込んだため、

独立した途端に、それら勤めていた会社の経営資源が「消失」し、


そのことに気づかずにA氏は、「同じ乗り」で事業を始めたため、

当然のごとく、A氏の事業は窮地に追い込まれることになったのです。


もっと極端な例をあげると、ある「メガバンク」に勤め、

資産運用の営業で、高い成果を挙げていたB氏。


しかし、このB氏が独立し、個人事業主として、

資産運用コンサルタントとなった場合、

あなたは、大切な老後の生活資金を、

このB氏に託すでしょうか、ということです。


自分が今現在持っている経営資源、

そして、実際に、新たなビジネスを行う場合に活用できる経営資源。


これらをきちんと見極め、把握することがまず何より肝要なことだと思います。    



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