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経営改善の進め方⑲ CF相関図による経営計画案(Ⅴ型)

おはようございます。所長の山本誉です。

もうすぐ4月。巷では、年度替わりの雰囲気が出始めていますね。

来年度も、すべての授業をオンラインで実施する大学もありますね。

体育の授業などもオンライン化だそうで、それで良いのか悪いのかと

考えてしまいます(苦笑)。



さて、今回はⅤ型企業の経営計画案について説明します。



(5) Ⅴ型企業の経営計画案

Ⅴ型の場合は、「FCF不足」、「債務超過ではない」、「収益力不足」、「過剰債務」という状況であり、短期的には、金融機関に対する返済条件の変更申入れ(当面元本返済は据え置き又は減額、利息のみの支払とする、など)を行いつつ、人件費などのコスト削減を早急に実施します。


中長期的には、収益力の向上を図りながら、売却できる資産があれば売却して借入金返済に充当し、残債務については金融機関と交渉して経営改善を図ります。



上記の改善イメージを示したCF相関図が、図表5-1および図表5-2です




































図表5-1のⅤ型(短期)

Ⅴ型の場合には、短期的には、収益力不足によるFCF不足を解消するために、

人件費などコスト削減を行うとともに、金融機関に対する返済条件の変更申入れ

(当面元本返済は据え置き又は減額、利息のみの支払とするなど)を行って

キャッシュ・アウトを止めるようにします。



図表5-2のⅤ型(中長期)

中長期的には、過剰な債務を減らすために、売却できる資産があれば売却して債務の返済に充てます。


本業が利益を生み出せない状況となっているため、本業に関連する派生事業や、

本業とは全く関係のない新規事業への展開を考える必要があります。


そして、派生事業や新規事業への展開による収益力やFCFの向上の可能性、

過剰な債務の減免・返済期間の長期化交渉(財務CFによるキャッシュ・アウトの減少)による

経営改善を図ります。



Ⅴ型の場合の「目標FCF」設定例として、5年間の計数計画を策定する場合には、

次の2つが目標FCFとなります。


① 計画1年目から2年目は、ゼロまたは若干のプラス


② 計画3年目から5年目で、資産の売却(投資CFプラス)、多角化による収益力の向上

    (営業CFプラス)、設備投資(投資CFマイナス)の目標額を算定します。

  その上で、「最低手元資金」が基準月商の3か月以上留保でき、

   借入金償還年数が15年以内となるようなFCF



以上、経営課題のパターン別に、キャッシュ・フロー相関図を使って、

キャッシュ・バランスの分析および各キャッシュ・フローの改善方策を提示しました。


このキャッシュ・バランス分析およびキャッシュ・フローの改善方策をもとに、

営業CF、財務CF、投資CF、手元CF、および、FCFの具体的な目標増減額を決めて

経営計画に落とし込んでいきながら、経営計画を策定していきます。



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