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ビジネスの創り方⑮  タイプ別にみた「ビジネスモデル」4

こんにちは。所長の山本誉です。

今回のブログも、具体的なタイプ別に

「ビジネスモデル」を説明していきたいと思います。



ト)抱き合わせ販売モデル

次に、「抱き合わせ販売モデル」というのを

ご紹介したいと思います。


この「抱き合わせ販売」では文字通り、

いくつかの商品やサービスを

抱き合わせで買わせるというモデルです。


このモデルも、かなりいろんな所で目にします。


一番わかりやすいのが、飲食店などの「セットメニュー」です。

単品ではなく、セット販売にして、

個々単品で購入するより割安な価格とし、

顧客に「お得感」を与えて、セットでいろんなものを販売する。

そういうモデルです。



抱き合わせ販売のもう一つの例としては、

「テレビショッピング」などが挙げられます。


たとえば、パソコンの新製品を番組で紹介するとします。


その場合に、パソコン単品だけを販売するのではなく、

そこに、プリンターやインクカートリッジ、ビジネスソフトまで付けて、

そのトータルの価格を提示して割安感を視聴者に与えながら、

実は、パソコン以外の付属品も売っている、

というのが、カラクリとしてあるのです。


これも抱き合わせ販売の例です。



さて、抱き合わせ販売を行う時に、利益を上げる、

「ちょっとしたコツ」があります。

それは、抱き合わせ販売のメインとなる商品は、

利益率を低くして、顧客に「割安感」を与えながら、

抱き合わせで販売するものには、

利益率の高いものを追加するということです。

これは、たとえば、

「牛丼」と一緒に販売する、オプションの「生卵」などです。



さて、「牛丼」とオプションの「生卵」。

ビジネス的に考えると、どういうことが言えるでしょうか。


まず、牛丼ですが、牛丼屋として店舗を出す場合、

牛丼を作るためには、最低限、直接経費としての、

牛肉仕入代金、お米代、玉ねぎなどの具材代、

容器(器代)、箸代、水道光熱費、

そして、牛丼を作る人の人件費がかかります。


それに加えて、

お店の店舗家賃や店舗改装費用などを加えると、

一杯の牛丼を顧客に提供するのに、

かなりの「見えないコスト」がかかっていて、

他店との価格競争にさらされている牛丼だけでは、

単純に考えると利益が出ない、

ということになります。



ところが、牛丼を提供するためにかかる「コスト」を有効利用して、

オプションで「生卵」を販売する場合はどうなるでしょうか。


もともと、商品を提供するためのコストは、

すでに「牛丼」の提供において「吸収」してくれているので、

オプションの「生卵」販売について、追加でかかる費用は、

いろんな商品で共用して使える「生卵を入れる容器」があれば、

生卵の仕入原価以外は、ほとんどかからないといえます。

つまり、「追加コスト」は、ほとんどゼロなのです。


それに対して、生卵はだいたい1個いくらぐらいで仕入れて、

いくらぐらいで販売されているでしょうか?

計算すると、ものすごい利益率になりますよね。



さて、牛丼にオプションでつける「生卵」の利益率、

計算すると「500%以上」になるのではないでしょうか。


この生卵のように、牛丼に「抱き合わせ」でセット販売するものは、

高い利益をもたらしてくれるのです。


これは、ハンバーガーショップの「○○セット」や、

あるいはコンビニのレジ近くに置かれていて、

会計時に「衝動買い」してしまうようなお菓子など、

結構いろんなところで見かけます。


ですから、ビジネスモデルを考える時に、

この「抱き合わせ販売」を考えることは、

とても大切なことだと思います。



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