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執筆者の写真Homare Yamamoto

経営改善の進め方⑭ CF相関図による経営課題分析

おはようございます。所長の山本誉です。

昨日、緊急事態宣言が解除されましたが、所用で市役所や税務署に行ったところ、

在籍する職員数も緊急事態宣言前に戻って増えていました。

役所の方々も、確定申告や各種協力金・補助金申請対応など、

仕事は増えているのに在宅勤務を率先して実行しなければならない立場にあり、

仕事が滞って大変ではないかと思います。

早く通常生活に戻って、迅速な行政サービスが受けられるように願っています。



さて、今回は、前回紹介したCF相関図を使って、経営課題パターン別に

キャッシュ・フロー分析を行ってみたいと思います。


● CF相関図による経営課題別キャッシュ・フロー分析


(1) Ⅰ型企業のキャッシュ・フロー

Ⅰ型の、「FCF不足」、「債務超過」、「収益力あり」、「過剰債務」という企業の多くは、収益力はあるものの、過剰債務による借入金過多のため債務超過となり、また、借入金返済が多くてFCFではカバーできない状況となっていた。Ⅰ型の状態をCF相関図で示すと図表1となります。


















(2) Ⅱ型企業のキャッシュ・フロー

Ⅱ型の企業は、「FCF不足」、「債務超過」、「収益力不足」、「過剰債務」であり、会社が経営破綻寸前の、非常に厳しい状況に直面している緊急事態の企業でした。


Ⅱ型の状態に陥る多くの企業は、収益力不足から債務超過、FCF不足に陥り、借入金による資金調達により何とか事業を継続してきたものの、借入金が膨らんで過剰債務となり、事業の運転資金も借入金の返済も困難な状況に陥っている企業です。

Ⅱ型の企業のCF相関図を作成すると、図表2のようになります。



















(3) Ⅲ型企業のキャッシュ・フロー

Ⅲ型の企業は、「FCF不足」、「債務超過」、「収益力不足」、「過剰債務なし」という状況であり、金融機関からの借入金や返済負担は過剰といえるほどないが、収益力不足により債務超過、FCF不足に陥っている企業であり、本業での営業利益がほとんど出ていない企業でした。

この状態をCF相関図で示すと図表3になります。

















(4) Ⅳ型企業のキャッシュ・フロー

Ⅳ型の企業の場合、「FCF不足」、「債務超過ではない」、「収益力あり」、「過剰債務」という状況であり、収益力、資産はあるが、過剰な債務の返済のためにFCFが不足しているという状況です。

この状態をCF相関図で示すと図表4となります。



















(5) Ⅴ型企業のキャッシュ・フロー

Ⅴ型の、「FCF不足」、「債務超過ではない」、「収益力不足」、「過剰債務」という企業の多くは、

以前は業界・業種的に、売上や利益、FCFも充分に出すことができたため、

金融機関からの融資も受けやすく借入債務も増やした後、

当該業界・業種が市場環境などの影響を受けて衰退したため、

売上や利益、FCFが出せない状況となっていました。


また、Ⅴ型の企業の場合には、債務超過ではないことから、

多少の投入手元資金を保有していることがあります。

この状態をCF相関図で示すと図表5となります。



















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