おはようございます。所長の山本誉です。
3月もあと残すところあと5日、今年度もあとわずかとなりました。
今年度は大変な一年となりましたが、来年度は全世界が、明るい年度になってほしいですね。
さて、 前回まで、各CFの「キャッシュ・バランス」をどのように改善すれば、
経営状況を改善し、経営発展させる経営計画を策定することができるのかを、
経営課題パターン別にCF相関図から検討していますが、
今回はⅢ型企業の経営計画案について説明します。
(3) Ⅲ型企業の経営計画案
Ⅲ型の「FCF不足」、「債務超過」、「収益力不足」、「過剰債務なし」という企業の場合には、
収益力不足によるFCF不足が主たる経営課題となっているため、
短期的には、早急にコスト削減などによる利益の増大を図るとともに、金融機関に対する返済条件の変更申入れ(当面元本返済は据え置き又は減額、利息のみの支払とするなど)を行ってキャッシュ・アウトを止めるようにします。
中長期的には、収益力の向上のためのあらゆる施策を検討しながら、
金融機関に債務の減免・返済期間の長期化交渉をしながら経営改善を図ります。
上記の改善イメージを示したCF相関図が、図表3-1および図表3-2です。
図表3-1のⅢ型(短期)
Ⅲ型の場合には、短期的には、売上を上げるか、経費を削減して、
利益を出すことが喫緊の課題となります。
しかし、直ちに売上を上げることは通常極めて困難なので、
応急措置的には経費の削減を優先します。
運転資金が厳しい場合には、金融機関に対する返済条件の変更申入れ
(当面元本返済は据え置き又は減額、利息のみの支払とするなど)を行います。
図表3-2のⅢ型(短期)
中長期的には、収益力の向上を図りつつ、
営業CFの増大および設備投資が可能となるようにします。
また、財務CFのマイナスをさらに抑えるため、
金融機関との交渉により、過剰債務の減免や返済の長期化を目指して、
抜本的な経営改善を図ります。
なお、収益力の向上により、黒字化、債務超過解消が見込めれば、
新規借入による資金調達を図ってキャッシュ・イン・フローを増加させることも検討します。
Ⅲ型の場合の「目標FCF」設定例として、5年間の計数計画を策定する場合には、
次の2つが目標FCFとなります。
① 計画1年目から2年目は、ゼロまたは若干のプラス
② 計画3年目から5年目で、収益力の向上、黒字化、債務超過解消の見込が立てば、
新規借入による資金調達を行い、投資CFまたは手元資金に充てます。
その上で、「最低手元資金」が基準月商の3か月以上留保でき、借入金償還年数が
15年以内となるようなFCF
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