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執筆者の写真Homare Yamamoto

経営改善の進め方⑰ CF相関図による経営計画案(Ⅲ型)

更新日:2021年3月26日

おはようございます。所長の山本誉です。

3月もあと残すところあと5日、今年度もあとわずかとなりました。

今年度は大変な一年となりましたが、来年度は全世界が、明るい年度になってほしいですね。



さて、 前回まで、各CFの「キャッシュ・バランス」をどのように改善すれば、

経営状況を改善し、経営発展させる経営計画を策定することができるのかを、

経営課題パターン別にCF相関図から検討していますが、

今回はⅢ型企業の経営計画案について説明します。



(3) Ⅲ型企業の経営計画案

Ⅲ型の「FCF不足」、「債務超過」、「収益力不足」、「過剰債務なし」という企業の場合には、

収益力不足によるFCF不足が主たる経営課題となっているため、


短期的には、早急にコスト削減などによる利益の増大を図るとともに、金融機関に対する返済条件の変更申入れ(当面元本返済は据え置き又は減額、利息のみの支払とするなど)を行ってキャッシュ・アウトを止めるようにします。


中長期的には、収益力の向上のためのあらゆる施策を検討しながら、

金融機関に債務の減免・返済期間の長期化交渉をしながら経営改善を図ります。


上記の改善イメージを示したCF相関図が、図表3-1および図表3-2です。


































図表3-1のⅢ型(短期)

Ⅲ型の場合には、短期的には、売上を上げるか、経費を削減して、

利益を出すことが喫緊の課題となります。


しかし、直ちに売上を上げることは通常極めて困難なので、

応急措置的には経費の削減を優先します。


運転資金が厳しい場合には、金融機関に対する返済条件の変更申入れ

(当面元本返済は据え置き又は減額、利息のみの支払とするなど)を行います。



図表3-2のⅢ型(短期)

中長期的には、収益力の向上を図りつつ、

営業CFの増大および設備投資が可能となるようにします。


また、財務CFのマイナスをさらに抑えるため、

金融機関との交渉により、過剰債務の減免や返済の長期化を目指して、

抜本的な経営改善を図ります。


なお、収益力の向上により、黒字化、債務超過解消が見込めれば、

新規借入による資金調達を図ってキャッシュ・イン・フローを増加させることも検討します。



Ⅲ型の場合の「目標FCF」設定例として、5年間の計数計画を策定する場合には、

次の2つが目標FCFとなります。


① 計画1年目から2年目は、ゼロまたは若干のプラス


② 計画3年目から5年目で、収益力の向上、黒字化、債務超過解消の見込が立てば、

   新規借入による資金調達を行い、投資CFまたは手元資金に充てます。

  その上で、「最低手元資金」が基準月商の3か月以上留保でき、借入金償還年数が

  15年以内となるようなFCF



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