事業承継の進め方⑩ 経営と資金繰り3 資金繰り表を作っていない

こんにちは。所長の山本誉です。

新型コロナの「感染第4波」の影響や、感染拡大防止対策に係る「「まん延防止等重点措置」

対象地域となってその規制の影響を受けて、十分な営業活動を行えず、大変厳しい事業経営をされている経営者の方も非常に多いと思います。


そんな中で、このコロナ禍でも、順調に利益を上げ続けている企業があります。

その代表例が、「アイリスオーヤマ」です。

なぜ、そんなことができるのか。その答えの一つが、アイリスオーヤマの「企業理念」です。


アイリスオーヤマの企業理念の一番最初にこうあります。


「1.会社の目的は永遠に存続すること。

 いかなる時代環境に於いても利益の出せる仕組みを確立すること。」


まさに、このコロナ禍でも、アイリスオーヤマが売上高を伸ばし続けていることは、

下図をみれば一目瞭然です。


           図表1.アイリスオーヤマ売上高推移














外部環境や、国会、政府、官僚、自治体の対応をあからさまに批判することも、

愚痴をいうこともなく、企業理念どおりに、売上・利益を出し続けているアイリスオーヤマ。


まさに、「素晴らしい!」のひとことに尽きると思います。


アイリスオーヤマに倣って、私たちも、いかなる状況でも利益を出せる仕組みを作ること、

利益を出していくことを、考えて事業を構築していきましょう。



さて、今回のブログは、事業承継において必要となる「経営と資金繰り」の知識のうち、

中小企業の資金繰りが苦しい場合の原因の理由の一つ「資金繰り表を作っていない」ということについて、考察していきたいと思います。



3.資金繰り表を作っていない

 前回のブログの事業計画にも関連しますが、会社の手元資金が少なく、

毎月の資金繰りに汲々としている中小企業、特に家族だけしかいない企業や、

社長一人しかいない個人零細企業の場合、ほとんどが「資金繰り表」を作っていません


私も、数多くの中小・零細企業を見てきましたが、毎月の資金繰りに行き詰まる企業の場合、

そのほとんどが資金繰り表を作っておらず、また、作り方もわからず、

資金繰り表で資金を管理しているのではなく、「現金出納帳・現金残高」、「預金通帳残高」と、


経営者の「頭の中にある入出金予測」によってのみ経営を行っています。

まさに、「どんぶり勘定」ならぬ「カン(勘)ピューター」経営です。


そのため、日々の運転資金が回るかどうかという点にしか経営者の意識がなく、

資金が足らなくなれば経営者が不足分を個人資産で会社に補填し、


また、お金が少し貯まったら、せいぜい定期預金に預ける程度です。


そして、その定期預金も、運転資金が足らなくなれば取崩して、運転資金に回さざるを得なくなる。だから、お金が貯まらない。


このような中小企業の場合、将来の「事業目標」がなく、また、日々のルーティンワークに追われ、

その結果、日々の事業を回す(継続する)ことにしか経営者の意識が向いていない。

つまり、「事業目標」がないために、資金を計画的に留保していこうという意識が薄いのです。


そのような経営者は、


「うちのような商売は、将来どうなるかわからないんで、事業目標なんて立てられないんですよ」


と口癖のように言います。 また、それ以外に、


「うちのような事業は、いつお金が入金されるかわからないから、資金繰り表なんか作っても意味がないんですよ」


と言う経営者も多いです。


さらに、資金繰りに追われることが日常的になると、

新商品開発や設備投資・修繕について考え、実行する、時間的・資金的余裕がなくなり、

商品がどんどん陳腐化していき、店舗は老朽化が進んで、徐々に来客数・売上高が減少していき、

さらに資金繰りが厳しくなります。


そして、最悪の場合、新規競合店が近隣にできると、あっという間に既存顧客を奪われて、

廃業・倒産に追い込まれます。


このような企業が資金繰りに追われる理由はただ一つ、


「事業計画(目標)を立てようという意識がない」


ということです。


顧問税理士にも「月次決算」を依頼せず、「年一決算」でお願いしていることが多いです。

その理由は、決算書や税務申告書が「納税や借入のために必要だから」としか

思っていないからです。


そのため、月次決算を依頼する理由も資金も乏しく、年に一回、会計証憑類一式を

顧問税理士に渡して、決算書・税務申告書の作成を丸投げでお願いするのみです。

決算書が読めない経営者は、ほとんどがそうです。


したがって、顧問税理士が事業計画の必要性や作り方を指導する機会もほとんどありません。

また、経営者から要望されることもありません。こうして、資金不足の状況が続いていくのです。



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