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執筆者の写真Homare Yamamoto

経営改善の進め方⑮ CF相関図による経営計画案(Ⅰ型)

おはようございます。所長の山本誉です。

首都圏では緊急事態宣言が解除されて3日目になりますが、

日常生活がコロナ前に戻るのには、まだまだ時間がかかりそうだな、

というのが私の正直な感想です。

とはいえ、少しずつでも、明るい日常生活を取り戻すべく、

私たち一人一人が、「なすべきことをなす」のが大切だとも思います。



さて、 前回、経営課題別のキャッシュ・フロー状況を「CF相関図」で分析しました。

そこで、今回から、各CFの「キャッシュ・バランス」をどのように改善すれば、

経営状況を改善し、経営発展させる経営計画を策定することができるのかを、

経営課題パターン別にCF相関図から検討していきたいと思います。


(1) Ⅰ型企業の経営計画案

Ⅰ型の「FCF不足」、「債務超過」、「収益力あり」、「過剰債務」という企業の場合には、

過剰債務が主たる経営課題となっており、そのため資金繰りが厳しい場合には、

応急措置として、早急に金融機関に対する返済条件の変更申入れ

(当面元本返済は据え置き又は減額、利息のみの支払とする、など)を行います。


中長期的には、過剰債務に関して、収益力の向上でカバーするのか、

債務の減免・返済期間の長期化交渉で対応するのか検討しながら経営改善を図ります。


上記の経営計画策定のための、キャッシュ・バランス改善イメージを示したCF相関図が、

図表1-1および図表1-2です。

































図表1-1のⅠ型(短期)

短期的な経営改善では、金融機関に対する返済条件の変更申入れ

(当面元本返済は据え置き又は減額、利息のみの支払とする、など)を行うことにより、

財務CFのマイナスを減らし、キャッシュ・アウトを抑えます。


そして、必要な設備投資(投資CFのマイナス)は行い、

安全性を高める手元CF(手元資金)を増やしていきます。


図表1-2のⅠ型(中長期)

中長期的な経営改善では、収益力の向上によりさらなる営業CFの増大が可能か検討します。

営業CFの増大が可能であれば、必要な設備投資(投資CFのマイナス)を行いながら、

財務CFにどの程度充当できるか算定し、金融機関との交渉により返済額を決定します。


収益力の向上がこれ以上見込めない場合には、営業CFを生み出すのに必要な設備投資

(投資CFのマイナス)を行いながら、返済可能な財務CFを算定し、

その範囲内で返済が可能となるように、金融機関との交渉して、

債務の減免や返済の長期化を目指して、抜本的な経営改善を図ります。


Ⅰ型の場合の「目標FCF」設定例として、5年間の計数計画を策定する場合には、

次の2つが目標FCFとなります。


① 計画1年目から2年目は、財務CFのマイナスを減らして、

   その分を投資CFおよび手元CFに回し、ゼロまたは若干のプラス

② 計画3年目から5年目では、営業CF、投資CF、財務CFのバランスを調整しつつ、    「手元資金残高」が基準月商の3か月以上留保でき、

   借入金償還年数が15年以内となるようなFCF




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