事業承継の進め方⑦ 金融知識3

こんにちは。所長の山本誉です。

年度末から新年度にかけて、何かと仕事やプライベートでバタバタしています。

新型コロナの感染防止、経済活動の安全な再開などの問題もありますが、

それとは関係なく、「自分が業務・生活スタイルを変えなければならない」ということとなり、

それで、バタバタしているというのが実情です。

みなさんは、いかがでしょうか?



さて、今回も、事業承継にあたって、後継者に要求される「金融知識」についての続きです。



5.経営改善計画の策定による債務者区分の引き上げ

経営改善や事業再生が必要な会社が、「実抜計画」や「合実計画」に則った「経営改善計画書」を

策定して、金融機関の合意を取り付け、そのとおりに計画が達成できれば、債務者区分が

正常先または要注意先とみなされて引き上げられ、追加融資が可能となります。


(1) 実抜計画

実現可能性の高い抜本的な経営再建計画のことを略して「実抜計画」という。

実抜計画の要件は以下のとおり。


・ 概ね3年以内に債務者区分が正常先となること

・ 関係金融機関の同意を得られること

・ 売上等の予想数値が厳しめに設定していること(計画達成率が概ね80%程度)



(2) 合実計画

実抜計画の基準には満たないが、合理的かつ実現可能性の高い経営改善計画を「合実計画」と

いいます。


合実計画の要件は以下のとおりです。


・ 計画期間が概ね5年以内(中小企業の場合、5年を超え概ね10年以内)であること

・ 計画期間終了後の債務者区分が正常先となること

・ 全ての取引金融機関において、支援を行うことについて文書その他により確認できること


一方、「中小企業再生支援協議会」の目線での再生計画では、下記3項目が要件となり、

一般的には、この要件が用いられることが多いです。


  ・ 3年以内の黒字化

  ・ 5年以内の債務超過解消

  ・ 有利子負債の対キャッシュフロー比率が概ね10倍以下(債務償還年数10年以下)


この基準によると、債務超過解消後に債務償還年数が10年以内になっていれば良いことから、

実質的には、計画立案時から15年以内に借入金が返済できる計画となっていれば良い、

ということでになります。



6.債務償還年数の計算方法

借入金が何年で返済できるのかを計算する算定方法は、以下のとおりです。


 有利子負債(金融機関からの借入) ÷ フリー・キャッシュ・フロー = 債務償還年数 


フリー・キャッシュ・フローは、キャッシュ・フロー計算書を作成している会社であれば

把握できますが、キャッシュ・フロー計算書を作成していない場合には、簡易的にフリー・キャッシュ・フローを以下の方法で計算します。


 フリー・キャッシュ・フロー ≒ 当期純利益 + 減価償却費 


この簡易的なフリー・キャッシュ・フローの計算方法は、

運転資本(売上債権、在庫、仕入債務)が、毎年ほとんど変わらない場合に使えます。


運転資本が毎年大きく変動する場合には、

この簡易的なフリー・キャッシュ・フローの計算方法は使えませんが、


製造業などを除く、毎期、大きな運転資本の変動がない中小企業には、

この簡易的なフリー・キャッシュ・フローの計算方法を使っても問題ないといえます。



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