事業承継の進め方⑥ 金融知識2

こんにちは。所長の山本誉です。

新年度最初の営業日を迎えましたが、新型コロナの感染者数は大阪での激増を始め、

首都圏や全国各地でも再び増加し、収束する気配を見せないですね。 コロナの感染収束と経済活動の再開。非常に悩ましい相反する問題ですが、

この問題を乗り越えるべく、みんなで智慧を出し合いながら明るい社会を取り戻しましょう!



さて、今回も、事業承継にあたって、後継者に要求される「金融知識」についての、

続きです。 2.期限の利益とその喪失

会社は、金融機関から借入を行ったら、返済期日が来るまでは、その資金を自由に使うことができます。これを、


「期限の利益」


といいます。

会社は、期限の利益を利用して、金融機関から資金を調達し、設備投資や運転資金にあてます。

また、金融機関は、期限の利益を会社に与える見返りとして、「利息」を受け取ります。


しかし、返済期日が来ても、会社が借入金を返済できなかったり、破産手続きに入った場合には、

期限の利益は「喪失」し、借入金および利息を一括返済する義務が生じます。


一般的には、返済が3か月以上継続して遅れると、「期限の利益」を喪失します。


 期限の利益を喪失すれば、金融機関は貸付金の回収を即時に行う行動を取ります。



3.貸出条件変更(リスケジュール)

会社は、約定どおりの返済が難しくなり、通常の返済が困難になった場合、

「期限の利益」を喪失する前に、金融機関に交渉して、

貸出返済条件の変更(元本の一定期間の返済猶予や減額)をしてもらうことをします。

これを一般的に、


条件変更(リスケ)


といいます。

金融機関が、条件変更に応じてくれれば、条件変更契約を締結し、

その条件にしたがって返済や利払いを行っている限り、「期限の利益」は喪失されません。


ただし、条件変更を行うと、金融庁が定めた「金融検査マニュアル」の「債務者区分」が下がり

通常返済に戻るまで、金融機関から追加融資を受けることが困難となります。


4.金融検査マニュアルと債務者区分

長年、金融機関の貸し出し基準をされてきた「金融検査マニュアル」および「債務者区分」は、

2019年12月に廃止されました。


しかし、「金融検査マニュアル」および「債務者区分」という基準が廃止されても、

金融機関が貸出を行う際には、これまでどおり、「金融検査マニュアル」の「債務者区分」に沿って、

当面の間は、貸出の審査が行われるものと思われます。

その債務者区分が、図表1です。


                      図 1.債務者区分
















図表1の「正常先」または「要注意先」であれば、一般的には金融機関からの借入が可能ですが、その条件は以下のとおりとなります。


  ①実質債務超過でないこと

  ②黒字であること

  ③延滞がないこと(最低3か月まで)

  ④債務償還年数が10年以内であること


その他、金融機関によっては、上記4つの項目以外についても判断する場合があります。

しかし、まずは上記①から④の項目を、しっかり認識しておくことがとても重要となります。



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