事業承継の進め方⑫ 経営と資金繰り5 利益と資金の混同 発生主義と現金主義

こんにちは。所長の山本誉です。

再びリバウンドした、新型コロナの感染拡大防止のため、

私自身も極力、自宅で、仕事や要件を済ませることにしています。


しかし、会社によっては、「書類の会社からの持ち出し禁止」とか、

「自宅のパソコンからは会社のデータにアクセスできない」という秘密保護の観点から、

テレワークができず、やむなく出勤されている方も多いように思います。


その最たるところが、実は「お役所」だと思います。個人情報だらけですからね(苦笑)。

また、感染拡大防止のため、役所に勤務されている方々は、自ら民間企業に範を示すべく、

在籍率を下げなければならず、仕事は溜まるいっぽうで大変だと思います。

感染拡大の収束を願うばかりです。



さて、今回のブログは、事業承継において必要となる「経営と資金繰り」の知識のうち、

中小企業の資金繰りが苦しい場合の原因の理由の一つ「利益と資金の混同」と、それに関わる

「発生主義と現金主義」について、考察していきたいと思います。



5 利益と資金の混同

決算書が読めないことに関連しますが、「黒字倒産」という言葉の意味を、

真に理解している中小・零細企業経営者はどれくらいいるでしょうか。


経営を行う上での経営者の最大の関心事は、売上を上げることと、利益を出すことです。

売上は「資金をもたらす源泉」となるものであり、利益は「事業が儲かったかどうか」を示す

指標となるものだからです。


ところが、黒字で利益が出ていても、手元資金が減ることがあります

それは、決算書の作成は、「現金主義(現金の入出金にもとづく会計処理)」でのみ作成される

のではなく、一部「発生主義(現金の入出金によらない会計処理)」で作成されるからです。



6 現金主義会計と発生主義会計

「利益」と「資金」を相違させる根本的な要因は何か。それは「現行の会計制度」です。

そこで、会計制度について簡単に触れます。


現金主義会計とは、現金の入出金時に、収益や費用を認識・計上して、利益を計算する方法です。


この現金主義で計算された利益は、現金の「入出金という事実」にもとづいて計算されるため、

「資金的な裏付け」のある利益となります。


つまり、現金主義で計算された利益と、手元資金の増減とは、イコールの関係になるのです。

その点では、利益と資金の関係を理解しやすい計算方法といえます。


しかし、現金主義会計では、正しい「期間損益計算」ができないことから、

「発生主義会計」が用いられるようになりました


それにより、利益と資金の増減がイコールとはならず、このことが、

経営者に利益と資金を混同させ、財務会計の理解を著しく困難にしている大きな要因なのです。




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