事業承継の進め方⑳ 会計知識4 費用収益対応と期間帰属


こんにちは。所長の山本誉です。

首都圏、関西圏では、感染者数が増加傾向を示し、「緊急事態宣言」が発令されそうですね。

本当に、一寸先すら「予測困難」な時代になりましたが、

希望をもって頑張りましょう!


さて、今回は、「会計」についての、一番「コア」であり、重要なお話をさせていただきます。

今回の内容が理解できれば、ひとまず会計の第一段階は「合格」です!

非常に重要な箇所ですので、是非、じっくり習得していただければと思います。


4.収益と費用と利益


 (1) 収益:企業が商品やサービスの提供対価として受け取る金銭。

 (2) 費用:生産や取引などの経済活動に伴って支払う金銭。

 (3) 利益:儲け。収入から費用を引いた残り。(マイナスなら「損失」)



(重要!)

   利益 (あるいは損失)= 収益 - 費用 (収益≠利益)


  (※)損失・利益のことをまとめて「損益」という。



5.損益の期間帰属性と費用収益対応の原則


 損益会計では、会計期間ごとの損益を正しく計算するために、以下の2点が主な論点になります。


 (1)損益の期間帰属性 (損益をいつ計上するか)

 (2)損益の対応性 (収益と費用を対応する)



 ○損益の期間帰属性について

  また、収益と費用の計上時期の判断する基準として、以下の3つがあります。


 (1) 現金主義

 (2) 発生主義

 (3) 実現主義








(1)現金主義とは、現金の収入や支出のあった時点で損益を計上する考え方です。

 【特徴】

  ①収益の安全性が強い(収益に資金の裏付けがある)。

  ②期間帰属の合理性は弱い(そもそも入出金の事実を基にするため、「期間」という考えがない)



(2)発生主義とは、収入や支出があった日ではなく、収入や支出の「発生する事実」があった

 時点で損益を計上する考え方です。

 (例)貸付金が回収困難な事実が発生した場合に、「貸倒引当金」を計上する。


 【特徴】

  ①期間帰属の合理性が強い(期間帰属の合理性を持たせるために生まれた考え方)。

  ②収益は未実現利益となる(回収できない)危険性がある

    (資金の裏付けが必ずしもあるとは、必ずしも限らない)



(3)実現主義とは、「取引の実現」 を事実として損益を計上する考え方です。

 「取引の実現」 の判断基準には、通常、「引渡基準」 を使います。

 (例)商品を納品した時点で収益を計上する(代金は後日受取)。


 【特徴】

  ①検証可能性(取引の行われた事実確認)が強い。

  ②収益の安全性が強い (未実現利益が計上されない)。

   ただし、この実現主義も必ずしも資金の裏付けがあるとは限らず、

   「債権」レベルでの安全性です(貸倒れリスクあり)


上記3つの基準につき、現在の制度会計では、損益の計上は以下により計上されています。


 (1) 収益は実現主義を使って計上される。

 (2) 費用は発生主義を使って計上される。


(理由)

利益を過大に計上しないように(保守主義)に考えて、収益は固く、費用は広く計上しつつ、

期間帰属性を持たせるため。



○費用収益対応の原則 (重要!)

会計期間ごとの損益を正しく計算するために、収益と費用の関連性を見ながら計上することを、

「費用収益対応の原則」といいます。











【重要!】

 会計がわかりにくくなっているのは、「現金主義」で処理されず、

 「費用収益対応の原則」に基づき、「実現主義」(収益)と「発生主義」(費用)によって

 損益が計上されるためです。ここをしっかり押さえましょう。


 そのため、会計上は黒字でも、現金が足らなくなるということも起こりえます。

 (例)「黒字倒産」。「赤字でも現金増加」


  「現金主義」 < 「実現主義」(取引の事実) < 「発生主義」(発生の事実)




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